今回から3回に分けてハンドルコントローラー
ロジクール G29のペダルを取り付けるフレーム(ペダルフレーム)
作りを紹介します。
最終的にはペダルを吊り下げ式で使うことを目指しますが、
製品の素の状態(ペダルが下から出ている:オルガン式)の踏み方はそのままに、角度だけを付けたいなあ…という方向けの方法も紹介します。
今回は主にフレーム作りに関する素材のお話です。
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注意事項
以下管理人が実際に行った作業に基づいています。
素人の工作なので作り方・精度等、専門家から見たら甘い部分もあるかと思いますがご了承ください。
使った材料、サイズ、価格等はこのシリーズの最終回(#3)にまとめてリスト化して載せます。
著作権は放棄しないので、個人がご自宅で作って遊ぶ範囲に制限します。
オークションに出品したり、ショップサイトで販売するなど金銭が絡む取引に使うこと一切を禁じます。
記事を参考にして制作する過程、また作ったフレームを使用中に
万が一怪我や事故等発生しても管理人並びに当サイトは一切の責任を負いません。
以上全てをご理解いただき、制作および仕様時にケガ等しないよう
安全にはくれぐれも気をつけ全て自己責任で行ってください。
素材はアルミフレームがオススメ
フレームの素材は3択
ハンコンのペダル台座(フレーム)を作る事を考えた場合、
その素材は大きく分けて主に3つあるかと思います。
- 木材
- イレクターパイプ
- アルミフレーム
スチールの四角柱という手もありますが、加工が容易ではないので今回は除外。
それぞれ特徴を見ていくと
●木材
木材は2バイ材(2×材)がホームセンターなどで一番手に入りやすいと思います。
が、フレームを作る場合、穴あけ加工に精度が求められるので意外と大変。
また自重があるため設置時の固定という面では良さそうですが、重さの割に剛性がどうか?という側面もあります。
また重いということは収納する時にデメリットでもあります。
ただダントツに安いのが素材として魅力。
●イレクターパイプ
イレクターパイプは円柱状の鉄パイプ表面をプラスチック樹脂等でコーティングしたものです。
参考:Amazon
こちらもホームセンターで比較的簡単に手に入ります。
ある程度の長さでカットしたものが売られていますし、
またパイプカッターを使えば好きな長さにカットできます。
私、最近見たんですがイレクターパイプにも使えるくらい経の大きい
パイプカッターがダイソーで商品として復活してました。
確か500円だったと思いますが、長い間欠品だったので欲しい方は今買っておくと良いかも。
ただ、イレクターパイプは自重はありますが
円柱パイプですので接地面との摩擦面積は意外と小さく
固定度という面でどうなんだろう?というのはちょっと気になります。
しかも最大の問題がジョイントパーツの価格。
イレクターパイプ表面の樹脂を溶かし接着剤で完全に固めるタイプのジョイントパーツは安価なのですが、
後から取り付け位置などを調整できるボルト締めタイプのジョイントパーツはかなり高額です。
後ほど紹介するアルミフレームもですが、
ペダルフレームを作る場合、この「ジョイント」にかかるコストがかなりバカにできません( -_-)
正直なところ、ジョイント代(およびネジなど)の方がフレーム本体の値段よりもずーーーーーっと高いです。
とはいえ、ネット上の多くの方々はイレクターパイプで
ペダルフレーム(ペダルスタンド)を作っておられるので
無理なく使えるのだろうと思います。
またネットで豊富な参考事例を探すなら
イレクターパイプで作るのが一番いいかもしれません。
●アルミフレーム
アルミフレームは文字通りアルミニウム製のフレームパーツを組み合わせて作成します。
軽量かつ非常に剛性が高い素材です。
今回私はアルミフレームで制作しました。
特徴については次の項で。
アルミフレームの特徴
アルミフレームはアルミの柱に溝が作ってありそこにネジ止めパーツを入れ、
上からジョイントブラケットなどを使って固定していきます。
特徴としては
メリット
- とにかくカッコいい(・∀・)
- 軽量だが極めて剛性が高い
- 持ち運びもらくらくで収納しやすい
- 規格が決まっているので必要なジョイントパーツ・ネジ長等の計算が楽
- 精密に加工してあるのでフレーム同士の接続作業も楽
- 各フレームの取り付け位置調整がしやすい
- フレーム自体の価格は意外と安価
- とにかくカッコいい(大事なことなので2回)
デメリット
- 一般のホームセンターなどにはまず置いてない
- 後から自分で長さ加工するのは困難
- ジョイントパーツの価格が高い
- 軽量であるがゆえ、自重のみに頼った固定は少し苦手かも
という感じです。
で、なんでアルミフレームを選んだのかと言うと、
- とにかくカッコいい(これ一番大事)
- ネット上に日本人で作ってる人があんまりいないので良い記事のネタになる
という理由から選定しました。ハッキリ言って見た目重視です。
Amazon:ニューヨーク・ミリオネアの教え 幸せをつかむ人ほど「見た目」にお金を使う
で自分で作っといてアレですが、
最終的にめちゃくちゃカッコいいのができました。
ちょっとチラ見せするとこんな感じです。
詳細は後日#3にて(・∀・)
デメリットをどう解消するか
アルミフレームの最大のデメリット、入手の難しさですが、
私はモノタロウの通販を使いました。
モノタロウは法人・個人事業主向けのサイトです。
といってもまあ一般の勤め人の方でも登録に屋号など必要ありませんし
その辺は臨機応変に…(・_・)
私が購入したアルミフレームはこちらです。
ベーシックフレーム ヘビー級 AFS-2020-4
※このフレームにした理由等は後ほど。
モノタロウの良いところは、アルミフレームを1mm単位で指定した長さにカットしてくれること。
更にカット代は要りません(商品代金に入ってるんでしょうけど)。
つまりデメリットである「加工のしにくさ」もこれで一気に解決できます。
なので、モノタロウを使って自分でサイズさえ完璧に指定してしまえば
「ぼくがかんがえるさいきょうのペダルフレーム」の素材がいとも簡単に用意できます。
ペダルフレームづくりは下準備から
まずプラ材で仮想モデルを作りましょう
ペダルフレーム制作でいちばん大事なのは
必要な部材の長さを正確に把握すること。
最初の設計をちゃんとやらないと、適当では完成しません…( -_-)
で、3DのCADなどが使える方はそちらをご活用いただければいいと思いますが、
私はそんな高度なものは使えませんのでオールドタイプらしく力押しで進めます。
こちらを御覧ください。
これはタミヤの2mmプラ角棒をメインに使って作った
完成品の10分の1縮小版モデルになります。
最初にこのような仮想モデルを自分で作ってみて、
どんな感じに仕上げたいのかを実物として手元に置くことをおすすめします。
ていうか面倒でも是非これを作ったほうが良いと思います。
これが無いと頭の中でイメージするだけでは作業がしにくいです( -_-)
仮想モデルを手を動かして作ってみることで、
実際の作業で必要なことが色々と見えてきます。
この仮想モデルについてちょっと補足すると、
中央のオレンジの3本はG29を分解して取り出した
アクセル、ブレーキ、クラッチのペダルユニットを表しています。
これらを中央部のアルミフレームにG29そのものの状態とは天地方向を逆にひっくり返してネジ止めすることで、オルガン式→吊り下げ式のペダルにします。
仮想モデルにある赤い三角形は同じくタミヤの三角棒プラ材をカットしてで作っています。
実際にはこの三角部分はデルタブラケットと言う
アルミフレーム同士をコーナーで接続したり、90度方向で止めるために便利なジョイントパーツを使います。
私が使ったのはこちらです。
エヌアイシ・オートテック(NIC) M4 デルタブラケット/塗装無し 20 タイプ
なお、仮想モデルではオレンジのペダルユニット部をこのデルタブラケットで止めるように作っていますが、実際には不可能なので次に紹介するようなL字のアルミブラケットを使います。
大阪魂 薄型アルミブラケット
仮想モデルでは黒く塗られた部分がこの薄型アルミブラケットです(タミヤのプラ板の適当なものをカットして自作)。
そして先程述べたペダルユニットは実際にはこの薄型アルミブラケットで留めます。
なんでデルタブラケットではダメなのかは#2の組み立ての時に詳しく説明します。
仮想モデルで一つ注意点があります。
一番後ろ側の箇所は、一番下の床に接する底面フレームの後端/両端に高さ10cmの短い柱を2本立てて、その間にフレームを渡してあります。
渡したフレームは床から10cm+底フレームの厚み2cm、そして横渡したフレーム自体の幅が2cmありますので、
最終的に高さ10cm~12cmの位置にフレームが横たわっているという構図です。
これが何かというと、
私の机の奥側にはフットプレートみたいな感じで
鉄板が床から11cmほどの高さで横側に渡してあります。
なので、このペダルフレームをその机の鉄板に押し当て、
ペダルを踏み込んだ時に奥方向にズレないようにするための工夫です。
ペダルフレームの横渡しの部分を付けずに
両端の短い支柱だけでも押し当てて支えられると思いますが、
念の為フレーム全体の剛性UPも狙ってこのように組み込みました。
なので、普通の方はこのような箇所は必要ありません。
もっともペダルフレーム自体をいかに動かさずに固定するか?ってのは
このアルミフレームのテーマだと思います。
参考までに今回使ったアルミフレームは1cm辺りの重量が約3.5gあります。
最終的にフレーム全体で4.7mを超えていますので、重量は3.5*470=1.6kg超になります。
+ペダルユニット自体+ネジやブラケットの重量があるので
最終的にはちょっとやそっとじゃ動かない重さになりますし、
滑り止めのゴムシートなどをユニット底面に施せば大丈夫だとは思います。
ですがもし可能であれば、より安定化させるために
ペダルユニットの奥側を部屋の壁などに押し当てるなど、
ユニットの構成を工夫すればなお良いかと思います。
アルミフレーム紹介と選定理由
使ったアルミフレームは
ベーシックフレーム ヘビー級 AFS-2020-4
です。
モノタロウでカットしてもらえるアルミフレームには多くの種類があります。
2020というのは20mm×20mmを表しているので、
この場合2cmの角柱ということになります。
Amazonなどにはアルミフレームで組んだコクピットなども売られていますが、こういった製品の多くはもっと太いアルミフレームを使っているようです。
参考:長谷川工業(Hasegawa) ドラポジ DRAPOJI ベースモデル 17374(Amazon)
今回私が作るのは
- ペダルのみを対象とした固定フレーム
- 収納面も考慮
ということで、なるべく細く・なるべく軽量・しかし剛性は確保したい
というバランスのせめぎあいになっています。
モノタロウにはカット対応の2020フレームで
通常タイプと軽量タイプもありますが、
細い中でもなるべく重量と剛性を稼ぐために今回のヘビー級を選択しました。
実際のところ2020ヘビー級で完成したものは床置きしてズレずに使えますが、
念の為に3030タイプや4040を選んで、より自重を確保しても良いかもしれません。
なお、2020にはブラックフレームもありますので、
黒でよりスタイリッシュに!という方はそちらを選んでもいいと思います。
ただ接続パーツに黒があるかどうか不明なので、
統一感を出すにはそれらを自分で色塗りしないといけないかもしれませんが…。
私が買ったアルミフレームはNICオートテック社の製品です。
モノタロウで支払い後、日本各地のNICの工場に発注され
そちらで切断加工が施されNIC工場から直送で自宅に送られてきます。
いわばアルミフレームづくりの専門家が直接加工してくれるので精度は抜群です。
ただし、外部発注&加工処理が入りますので、
モノタロウへの注文から届くまでにけっこう時間がかかります。
私はモノタロウで注文時には5日かかると表示されたのですが、
これは5営業日かかるということなので土日祝日は含まないようです。
そして実際にはモノタロウの注文処理→7営業日目に発送→宅急便の日数がかかる
という感じで、土日を2回挟んだこともあって手元に届くまで2週間ほどかかかりました。
ただこればっかりはプロに作業をしていただくので必要な時間なのだと割り切るしか無いです。
そもそも高品質のアルミフレームを個人向けにに売ってくれるだけでもありがたいことですしねm(_ _)m
なお加工処理と発送されてくるNICオートテックの工場は注文の度に異なるようです。
私はフレームをより補強しようと2回目の追加注文をしたんですが、
2回とも全く別の工場から送られてきました。1度目の工場(NIC大牟田)が自宅から一番近かったので、そういう割振りなのかな?と思ったのですが関係ないのかもしれません。
そして工場によって梱包の方法も異なります。
個人的にはNIC大牟田工場の梱包は完璧で良かったと思いました。
大牟田工場から届いたフレームです。
一本一本を袋で丁寧にカバーし、ラベルに頼んだ長さが印刷してあります。
更に同じカット長のフレームがある場合は、これは何本注文中の何本目ですとラベルが貼ってあります。
全体をガッチリ結束し外側はエアキャップ付きの梱包材で厳重に包まれて届きました。
と、このように完璧なスタイルで送られてきます👍
なお2回目に送られてきた工場については
梱包が全体として決してダメとかではないんですが
フレーム1本1本が袋に入っておらず、他も大牟田工場に比べると…
という感じでした(名誉のために工場名は伏せます(*_*))。
(大牟田工場から)届いたアルミフレームの端の部分です。
バリ等もなくスパッと切断されています。
指定した長さで寸分の狂いもなくカットされています。
なお、追加発注分の別工場から送られてきたフレームは
切断面に極々小さなバリがあって大牟田工場のものと同じ感覚で触ったら
少し手を切ってしまいました。
そもそも端を素手で触ったのがイカンのでしょうけど…( -_-)
この事例だけを持って、大牟田工場は常にバリなし、工場2は…
ということはできないと思いますが
届いたフレームには「極微細なバリがある事もある」ということで
取り扱いには気をつけてください。
おわりに
今回はペダルフレームづくりの素材選定を主に紹介しました。
調達のしやすさを考えれば、ホームセンターでイレクターパイプが良いと思います。
が、ちゃんと必要な部材を把握しておけばモノタロウ経由でのアルミフレームも断然ありです。
繰り返しになりますが、
いちばん大事なのは何がどれだけ必要なのかを前もってちゃんと把握しておくこと。
そのためにも仮想モデルづくりをおすすめします。
なおこの記事だけ読んでさっそく自分もアルミフレーム発注を…
というのはちょっと待ったほうが良いかと(´・_・`)
#2と#3で詳細な作り方と
仮想モデルと現実の違いで困った点なども紹介していきますので
最後までお読みいただいた上で制作に入られることをおすすめします。
また最終的に使ったフレームのサイズ、コストなども載せますので、その後で実際に作るかを判断されたほうが良いかと思います。
残りの記事はなるべく早く投稿しますのでしばしお待ち下さい。
ロジクールG29(日本での正規品)