アナログゲームを題材にしたアニメ、
放課後さいころ倶楽部
第12話(最終回)を視聴したので感想など。
この12話、全く予想もしてなかった方向からメンタルを削られる展開に…( -_-)
[画像は公式サイトより引用]
第12話感想:SAN値がガリガリ削られ、共感性羞恥への耐性も試されるハードな展開
最後まで色々とアラが目立つ
いきなり批判的な事を言って申し訳ないとは思います。
がやっぱり、こんなんおかしいやろってのが多かったので、
まずそれらを挙げていきます( -_-)
以下表現がキツイ箇所もありますので先にお詫びしておきますm(_ _)m
最終話は冒頭で既に春。日付的には3学期の終業式の日です。
そして鴨川(たぶん)のほとりのベンチにて
第1話の美姫さんのモノローグ「私は遊ぶことが下手くそで…」に繋がる展開でスタートです。ヘタクソ手品おばさん…下手くそあそびおばさんではない。
と、第1話を回収した素敵なスタートだったんですけど、
ここで私がものすごーく違和感を感じたのは
翠の、「じゃあ『学校に』行きましょう」ってセリフの「学校に」の箇所って要るのか?って点( -_-)
別にですね、毎回あら捜しをするつもりで見てるわけじゃないんです。
そこはくれぐれも誤解なきよう…。
が、どうもこの放課後さいころ倶楽部、ちょいちょい、ムム!?って引っかかるところが多い…。
普通、自然な高校生の日常会話で考えた場合
この状況で「学校に」って言うやつなんておらんと思うんですよねえ。
その前の「おはよう」「早かったね」「待ちましたか」のセリフ、4人が集まる、全員制服&カバン持ち
という会話・絵の描画で、これから学校に行くってことは
もう視聴者に十分説明が済んでます。
そしてその後、OP明けてすぐに「今日は終業式」って美姫さんの説明も入るわけです。
今仮にですよ、「学校に」の箇所を抜いたことで、
どこに行くか分からんだろうが(#゚Д゚)ゴルァ!!という想像力の著しく欠けたクレーマー視聴者がいたとします。
であっても、OPとCM明けでちゃんと学校のシーンになるので、あ学校に行くってことだったんだなーって誰でも分かる訳です。
ですので、なんでわざわざ不自然かつ余計なワードを入れてるのかよくわかりません。
まず、自然な会話としておかしいやろと違和感ありまくりです┐(´д`)┌
もしかすると制作スタッフは全ての状況説明を登場人物の台詞によって行うという橋田壽賀子スタイルの信奉者なのかもしれません。
にしても、「学校に」は不自然すぎて要らんと私は思う次第です。
ここまで来たので、ついでに12話で違和感のあったところから先に全部挙げていきます( -_-)
学校のベンチで春休みの事と将来について語りあう4人のシーン。
このあたり作画もかなり怪しかった。
エミーリアは、春休みはドイツのおばあちゃんのところに「パパとママと」一緒に行くと語ります。
原作(アニオリかもしれんけど)でどうなってるのか知りませんが、なんかここもねえ…。
…エミーリアのお母さんって「アイルランド人で、病弱でエミー達とは離れて暮らしてる」ってアングル(設定)でしたよね…。
エミーのお母さんがどこで暮らしてるのかはアニメ内では語られなかったので私には詳しいことはわかりません。
が、「ドイツのおばあちゃん」となるとエミーの父方かと思われます(ママが在独でママの母親も一緒にいる場合「ドイツ(在住)のママの方のアイルランド人のおばあちゃん」が成立、あるいはママがそもそも帰化したドイツ系アイルランド人という可能性もあるけどややこしくなるので今はその辺は除外)。
となると、病気で旦那さんや子供とすら一緒に暮らせないような弱ってるママを姑のところに訪問させるとは結構鬼だなと思いました…ママたいへんすぎやろ…(´・ω・`)
更にベンチのシーンでもう一つ。
2年生になっても同じクラスが良い!というところで、
翠が「2年になったら専攻で分かれるから翠・エミーの理系と美姫・綾の文系はクラスが違う。」→美姫&綾「えええええええそんなー」と驚愕するシーンがあります。
…( -_-)
3月の時点でそれを把握してない高校生なんておるわけ無いやろが(#゚Д゚)!!
と思った次第です…。
ていうか、その後で美姫さんが綾に対して獣医目指すなら理系のほうが…って言ってる時点で、この文理システム自体は事前に把握しているということの裏付になってるわけです。であるならばクラス編成についても知ってないなんて事が起こりうるはずもない。
何考えてこんな演出になってるのかさっぱり意味不明ですわ(´・ω・`)
と正直この放課後さいころ倶楽部、
原作からしてそうなのかそれともアニメスタッフによる手入れなのかはわかりませんが、
個人的に結局最後までちょいちょいセリフや演出に違和感があるのは気になりました。
なんかこう、自然な流れではどうなるかな?って観点が今ひとつなんですよねえ。
また演出といえば11話の時も書いたけど、
毎回のゲームシーンも「わー楽しそう」のセリフばかり連発で、映像表現で視聴者にボードゲームの楽しさを伝えるのを放棄気味だったのもどうかと思います。
12話も結局「わー楽しそう」をやってたけど。
アニメ化してくれた事には感謝だけど、もうちょっとなんとかならんかったのかと思います。
最終話にして美姫さんのヤバさが炸裂
と、批判はこの辺にして
12話のお話としては
美姫さんは今の楽しい状況が続いて欲しい(変化はイヤ)→でも現実はそうもいかない…→友達3人は前に進んでいる→美姫さん焦りと不安→あちこち関係者の拠点をさまよって人物召喚フラグを立てる→美姫さんついにSAN値が限界に達したのか天下の往来で一人芝居を始めてしまう→3人の友達に励まされ自分は独りじゃないんだと気がつく→「放課後さいころ倶楽部」の結成!
という展開でした。
一番の注目点はなんと言ってもナンジャモンジャを使って美姫さんが白昼堂々と一人芝居を始める所…。傍から見たらどう考えてもヤバいです。
だって美姫さん、カードに描かれたキャラに話しかけ、セリフやキャラ設定も妄想し、オリジナルストーリーを延々と語り出すんですよ。
見てるこっちのSAN値もガリガリ削られる上に、
これって共感性羞恥に弱い人はショック死するんじゃないだろうか…
って感じの展開でした(´・_・`)
何が一番つらいって、この美姫さんの一人芝居がもし他の友だちに見られたら大変な事になってしまう( ´Д`)アワアワ…と見てるこっちがハラハラする点。
途中で再生停止ボタン押して一旦逃げないと
正気を保てないんじゃないかと思いましたわー(´・ω・`)
が、一人芝居はともかく、美姫さんの気持ちは私もよーくわかります。
私も小学生の頃などクラス替えが無い学年の3月~4月の気楽さが好きでした。
逆にクラス替えがある年の4月のクラス発表のあの憂鬱さは非常に辛かった…( -_-)
私自身「変化は極力望まない、いつまでも低空飛行が一番いい。偉大なるマンネリ万歳!」というタイプの人間なので、観てて美姫さんの気持ちが痛いほど分かってしまいます…(´・ω・`)
それにしても美姫さんの一人芝居は友達3人に見られること無くホット一安心。
もしあれを見られてたら、こいつヤベーやつだと思われて
その後の友人関係に支障をきたしていたかもしれない…というほどの破壊力ある展開でした。
で、4人でこのアニメで最後に遊んだゲームは
ナンジャモンジャ
です。
別バージョンもあるみたいです。
ナンジャモンジャ・シロ
遊び方は
プレイヤーは順番に山札からめくって出たカードに描かれた不思議キャラに独自の名前を付ける→カードはプールして次のカードをめくる→出たカードのキャラに名前をつける→どんどんカードをめくっていく→既に名付けが済んでいるキャラが出た時はその名前を最初に声に出して呼んだ人がプールしたカードをもらう→最終的に獲得したカードの枚数が多い人が勝利
というシンプルなシステムでした。
ボードゲームカフェの回で出てきたドブルと、独自の名前を付けるという点ではちょっと似ているかもしれません。
最後は美姫が勝利し笑顔でゲーム終了。
そういった描写は無かったけど、案外3人が美姫に勝たせてあげたのかもしれません。
…たとえクラスが離れても大人になっても何年経っても私達にはゲームがあるから繋がれる、そうだ部活を作ろう、名前は「放課後さいころ倶楽部」。
というキレイな展開でタイトルを回収。
友達がいるから私はこれからも頑張れる。
という美姫さんの独白で「おわり」の文字と共に全12話が完了となりました。
最後はとてもいい終わり方だったと思います。
おわりに:放課後さいころ倶楽部全体の感想
ということで放課後さいころ倶楽部の第12話感想でした。
アラはあったものの最後は良い終わり方で良かったと思います。
右下隅に「おわり」の文字が表示された時、
ああ終わってしまうんだな…と悲しくなりました(T_T)
最後に放課後さいころ倶楽部全12話を見た全体の感想をいくつか
なんでもかんでも詰め込みすぎたと思う
12話を通して感じたのは
- キャラデザはすごく良かった(特に美姫さんが原作と全く違う)
- 美姫さんの内面を描くのは良かった
- 1話に2つボードゲームを盛り込むのは無理がある
- 恋愛要素は要らない(尺が足りない)
- ゲームの面白さをもっと深く描いて欲しい
って感じでしょうか。
とにかく尺が足りない感じです( -_-)
美姫の心の成長、翠のオリジナルゲーム制作、4人の友情、恋愛要素、ボードゲームの紹介
となんでもかんでも詰め込みすぎて全てが中途半端になった印象です。
ボードゲームの面白さもルール説明でだいたい終わったような感じで
肝心の、なぜこのゲームを選んだのか、どこに面白さがあるのかという点が薄かった印象を受けました。
何度か触れてますけど、主に綾による「わー楽しそう」、「面白いねー」のセリフでボードゲームパートの面白さの見せ方を済ませてしまっていたのが残念です。
尺についてですが、特に恋愛要素は要らんと思いました。
時間の関係で深堀りすることが実質不可能なので
バッサリ切ってゲーム要素に全振りの方が良かったのではないかと思います。
実際特に何の進展も無かったですしね。
…ただ、恋愛要素を全部切るとこの後2期をやったときに
新1年生のあの子と店長の展開が描けなくなるので
それはそれで困るんですよねえ。
あ、正直、店長をもっと沢山出してほしかったです。
あの店長渋くて好きでした。おっさんキャラは貴重です(´・ω・`)
その他、
キャラデザは美姫さんが原作の1巻と良い方向で全然違ったのが一番の衝撃でした。
原作だと、ああ独りヘッドホン少女なのも納得…的な面があるんですよねえ。
アニメ化され美姫さんはじめ美しくなったキャラデザはとても良かったと思います。
君が真のアニメーション作家を目指すのであればこのくらいで満足してもらっては困る
上はジョージ・ベレスフォードが作中で翠に放ったセリフのオマージュ。
制作スタッフの方々に、私ごとき、どこの馬の骨ともしれぬ者があれこれ言うのは失礼だとは思います。その点はお許しをm(_ _)m
ですが、この放課後さいころ倶楽部。
12話観てやっぱり、ちょいちょい演出に違和感があったんですよねえ。
今更繰り返し言っても仕方ないですし、それらは1~12話の感想で書いてるのでここでは改めて書かないけど…。
私はアニメ作成の現場の事は詳しく分からないので、何がその原因なのかはわかりません。
監督、脚本家、演出家、あるいは他のスタッフに依るものなのか、
それともそもそもの原作が起因なのか…。
色々、尺とか製作期間とか大変なんだろうとは思います。
そこを総集編で逃げること無く、毎週ちゃんと放送して最後まで完走された事には頭が下がる思いですm(_ _)m
が、にしても1クールアニメで終始、特に違和感とか無くてスムーズに終わる作品の方が現実として多いのも客観的な事実かと(・_・)
グランクレスト戦記みたいに毎回違和感しか無い作品もあるけど。
何なんでしょうね。
もっとこう、セリフにしろ人物・その他の描写にしろ自然であるとはどういうことか?
ってのをもっと深く突き詰めて欲しかったと思う次第です。
とは言え、12話が終わった時に
「残念、この4人の物語をもっと観たかった…。」
というのは強く思いました。
だから何でもかんでもダメだったとは思いません。
最終的に、この先の続きがもっと見たくなる!というポテンシャルのある作品にはなっていたんです。
世の中にはまだまだ面白いアナログゲームが山のようにあります。
それこそ宝の山が目の前に転がってる状態なのでアニメ化する題材はいくらでも待ってます。
カルカソンヌ、カタンの開拓者、ガイスター、水道管ゲーム、潜水艦ゲームなどなど…
まだまだまだまだ美姫さん達を通して描いて欲しいゲームがいっぱいいっぱいあるんですよねえ(´・ω・`)
特に水道管ゲームは私、子供の頃アメリカ人ハーフの友達がいてその子に紹介してもらったのが海外製アナログゲームにハマったきっかけ…というエピソードがあったのですが放課後さいころ倶楽部で登場しなかったので結局語らず終い。
放課後さいころ倶楽部に2期があるかないかはわかりません。
個人的に2期3期とやって欲しいけど
ぶっちゃけ、この後出るブルーレイの売り上げ次第なんでしょう。
もしも2期があるなら1期より質の上がった作品になることを切に願います(-人-)
制作スタッフの方々には表題のジョージ・ベレスフォードのセリフを贈り、
2期ではまだまだこんなもんじゃないぞ!って完成度の上がった作品を見せてほしいです。
その時はお詫びし、喜んで手のひらを返したいと思います。
最後に
ということで第12話+放課後さいころ倶楽部全話の感想まとめでした。
放課後さいころ倶楽部は手放しで全て完璧!とは言えないんだけど、
個人的にもっと別の話が見たくなる最後でした。
そもそも美姫たちが2年生になってからが登場人物も増えるので本番とも言えるかも…。
2期があるかはブルーレイが売れるかどうか次第。
貴重なアナログゲームを題材にしたアニメの続編のためにも
これは買って応援するしか無いですね(ダイマ)。
1クール、3ヶ月に渡って続けてきた放課後さいころ倶楽部の感想記事も今回でおしまいです。
2期があればまた感想を書いてみたいと思います。
いつかその日が来ることを信じて。
それではまたm(_ _)m